帯域フィルタバンク分析
分析の説明の前に、デジタル信号処理と
波形とスペクトルの関係について読んでおくことを
お勧めします。
帯域フィルタバンク分析とは並列的に並べたBPF(帯域通過フィルタ)群による分析で、
与えられた波形をBPFを用いて対数的に等分して、それらの平均を出力とするものです。
このシステムでは16等分しているため16chBPF分析と呼ぶことにします。
動作は次のようになります。
- 1)まず入力されたアナログ波形のAD変換を行います。
このシステムでは10kHでサンプリング、16bitで符合化しています。そのため
0.1msごとのサンプリング点が得られます。
- 2)/次に、AD変換された波形のスペクトルを求めます。音声波形の分析には、
短時間スペクトル分析を用います。そのため、波形に
窓関数を乗じて短時間だけ切り出す必要があります。
飲食店案内システムでは20msの区間で分析を行なっています。
- 3)窓をかけて切り出された波形からFFTを行ってスペクトルを
求めます。256点でFFTを行いますが20msの窓では200点しか得ることが
できません(0.1msごとのサンプリング20/0.1=200)。そのためあとの56点を
0として計算します。
- 4)FFTによって得られた128点のスペクトルをBPF(帯域通過フィルタ)を
用いて対数的に等分します。システムでは対数的に16等分しています。
- 5)16等分されたものを1つの単位とし、21msずつずらして同様に2)から4)を
繰り返します。
この出力と標準パターンを比較してDPマッチングを行います。
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